まず「排卵」ってどういうものなのでしょうか。排卵というのは、簡単に言えば卵子が卵巣の壁を破って外に飛び出す事だと言えるでしょう。

その動力源はというと、大きくなって内部に液体を沢山持つに至った卵胞の破裂になります。卵巣から腹腔内に飛び出た卵子が、卵管の先端部にある「卵管采」に捉えられて卵管へと移動します。

この卵管采は、手のような形をしているのが特徴で、またラッパのようにも見える事から昔はラッパ管とも呼ばれたりしていたようです。

さて、これで、卵子が卵管に入った時に精子がいれば、受精の可能性が出てくるという事になります。しかし、卵子はそう長くは精子を待ってはいられません。

少し前までは、卵子は排卵後6~12時間だけしか受精する能力を保っていられないとされていましたが、最近では1日以上経過した卵子でも出産まで至った例も報告されています。

とはいえ、おおむね1日前後が限界といったところでしょう。卵子が精子と出会う場所は「卵管膨大部」という卵管の先にある部分になります。卵子の中に入る事が出来た精子は、頭部に格納していた染色体を放出し、しっぽ部分は切り離され吸収されます。

一方卵子はというと、精子が入ってくる事で第2減数分裂を完了させます。

やがて、顕微鏡下で見えてくるの最初の変化は、それらが合体して一つの核になる「前核」という2つの核の形成になります。

この2つの核が合体し、1つの核になるとその瞬間から、父親と母親からDNAを半分ずつ受け継いだ新しい小さな命が生命活動を始めるのです。

最初はたった1つだった細胞が分裂と増殖を繰り返して、2個・4個と自分のコピーを増やしいくのです。次第に「分化」を起こし、あるものは胎盤の一部を構成する細胞に、そしてあるものは胎児の心臓を構成する細胞にと、役割が決まっていきます。

私たち人間の身体は約60兆個もの細胞から構成されていると言われていますが、もとはたった1つの細胞から始まったのだと思うと、生命の誕生とは本当に神秘的であると感慨深くなります。